私自身は一般庶民ですので、腐るほどお金が余っているというセレブの気持ちは分かりません。
ただ、出会い系サイトにおける体験談などを耳にすると、同じ人間とは思えないほどの豪遊ぶりを垣間見る時があります。
なんだか、腹立ち加減や寂しさのようなものを通り越して、圧倒される雰囲気があります。
お金持ちにはお金持ちの暮らしがあるのだなと。まずもって、お金が余るという感覚が理解できませんよね。
お金があればとにかく幸せなのだろうな、というのが庶民の感覚ですが、お金があっても満たされない想いというものがあるのかもしれない……ということを考えさせられるのが出会い系サイトの世界です。
逆援助交際なんて言うシステム、いったい誰が考え出したのでしょうね。
それを言い出せば、援助交際というもの自体が相当な不思議にあふれたシステムですけれど。
お金では満たされない想いを満たすために、セレブたちはお金を払って、性的な欲求不満を満たそうとします。
家にどれだけのお金があっても、あるいはどれほど経済的に豊かな男性と結婚しても、自分のパートナーとの間に確かな愛情がなければ、さみしいのは当たり前です。
むしろ、お金があるからこそ、自分たちの間に足りないものが心の問題であるということが浮き彫りになってしまうのでしょう。
一般的な人であれば、働く忙しさにまぎれて何となく見落としてしまうことが、見落とせないのです。
皮肉なものですね。
それで、セレブに取ってお金の使い道とはどのようなものか、考えてみましょう。
お金は有り余っているけれど、心は満たされない。
自分がそのままじっとしていても、心が満たされるような想いは実感できそうにない。
いやな言い方かもしれませんが、金持ちの人間は少数派ですので、友達がそれほど多いわけでもないというのが通例です。
うわべだけはまるで友達同士であるかのようなお付き合いをしていても、本気で心の底からお互いを信頼しているわけではない友人関係。
考えただけで、やはり背筋が冷たくなりませんか?
だから、お金を払って男を買おう。お金を払って人の心を買ってしまおうという発想に至るわけです。
出会い系サイトの世界は基本的に女性が優位な立場に立っているので、出会いに困ることはまず考えられません。
そのうえ、自分の方からお金を払うということとあっては、はっきり言ってより取り見取り、いい男をこの手で選び放題です。
お金を払っている以上、普段は絶対言えないわがままも言えてしまうところが、逆援助交際のいいところ。
すっかり関係の冷え切っている、あるいは関係がすでに終わっている旦那にはお願いできないあんなことやこんなことが、サイトを通じて知り合ったパートナーに対してはすんなりと言えてしまうのです。
よっぽど無茶なことを言わない限り、自分の願望が退けられるということはないでしょう。
また、万が一自分の願望が満たされなかったとしても、さっさとその相手とは縁を切り、また新たな出会いを求めればいいだけの話なのです。
逆援助交際を前提として求める出会いは、恋人同士のようなそれとは根本的に違います。
自分がその人といて満足できるかどうか、何一つ我慢することなく、ひたすらわがままに、自分にとって最良の相手と出会えるまで、掲示板とにらめっこをすればいいのです。
お金を払って始める出会いからは、確かな愛情を得ること以上に、セレブ達を満たす特別な何かがきっとあるのでしょう。
だからこそ彼女たちは、自分の満足を得るために出費を惜しまないのです。